劇場版テレクラキャノンボール2013を毎日観に行っていた日記。

同じ映画を繰り返し観に行く、愛と狂気の日々の記録。

6月29日。『劇場版 テレクラキャノンボール2013』 ポレポレ東中野公開記念オールナイトvol.1

  『劇場版 テレクラキャノンボール2013』 ポレポレ東中野公開記念オールナイトvol.1に行ってきました。

 こちらのオールナイトのチケットは6月7日に店頭のみで発売が開始されたのですが、発売当日の11時過ぎに買いに行って整理番号8番だったので驚きました。みんな必死やん!おまけにこの発売日、朝から雨降ってましたからね。

 そして6月12日の午後には完売。店頭に行かないと買えないのにこの売れ行き!

 劇場版の上映が終わり、開場時間までしばらく時間があったので飲み物を買いに一旦外出。夕方には降ってなかった雨が降り出してました。

 ポレポレに戻る時、入り口の近くで山下監督が一人でタバコを吸ってらっしゃるのを見かけてびっくりしたり。

 

 

  23:45に開場。整理番号105番まで呼び出した所で一旦場内整理が入り、その後116番まで呼び出してました。

 この日は客席後方に並べられたパイプ椅子が関係者席になってましたね。休憩時間に外に出る時、パイプ椅子に豊田道倫さんや小説家の花房観音さんがいらっしゃるのをお見かけしました。有名人なのにパイプ椅子でオールナイト観ちゃうのってナンカかっこいいっすね。

 最初に舞台挨拶。以下喋ってらっしゃった内容のメモ。

・ 「テレキャノ観た人?」という質問に沢山手があがる。

・ 今日この企画をやるのはとても意味がある、という話。この日上映される3本に共通しているのは全部人が死ぬ話だという事。

・ 松尾監督は2010年の10月に監督失格の試写を観、平野監督が由美香の死と向き合っているのを見て、12月から自分の父親にカメラを回し、それを今日上映する作品に入れたというお話。

・ 死ぬほどセックスしてみたかったの主人公の大崎さんに山下監督は会った事すらなかったという話から、山下監督「死を軽く扱った作品です。死とかさぁ、当事者にならないと重くならないよね」

 

 

 舞台挨拶に続き、作品の上映。1本終わるごとに休憩がありました。

・ 監督失格

 松尾監督関係の色々な企画で上映される事も多いので劇場で観るのは4~5回回目でした。けど、今日この日に上映される事に意味がありすぎてもうナンカ何も書けないっすよ。通常上映とオールナイトの間に外に出た時、地面に雨がポツポツ降ってきているのを目にして、監督失格の中の松尾監督がカメラを回してるシーン(由美香さんの遺体が運び出されている所)を思い出して何とも言えない気分になってました。

・ 死ぬほどセックスしてみたかった

 この作品、今年に入って以降は3月のオーディトリウムのオールナイト企画・テレクラキャノンボール3Dや大阪のロフトプラスワンエストでのイベントなどで上映されてますが、今後も渋谷アップリンクの山下監督のイベントでも上映されるそうなので今回のオールナイトのチケットが取れなかった人はそのイベントで観れますよ!

・ 私を女優にして下さいAGAIN11 

  私を女優にして下さいAGAIN11の上映版は前にポレポレのオールナイトで観たのですが、正直、DVD版に比べて劇場版は数段落ちる出来なんすよね。ちゃんとしたAVなのに父親の介護や死を扱った部分が物語の一部になってるのがとんでもないのにそのとんでもない所を切ってしまっとるんですよ劇場版は。だから劇場版しか観てない人は絶対DVD版も観ましょう!ってかね、私はこの劇場版を憎んでますよ。この世界にこの作品の劇場版しか観てない人が居るという事が本当に許せないくらいの勢いです。もうホントにこの劇場版だけは上映しないで欲しい。今後上映される事があるなら、DVD版をそのまま上映して下さい。

 

 上映後トーク。特に呼び出しなどはなくお三方登場。

 ・平野監督「(監督失格は)観終わった後のトークにいつも困る。上映が終わった後、お客さんがみんな5分位出てこない。そして、自分の顔を見たらみんな逃げる」。

 この作品の公開後、由美香ママもガンモ(作中に出てくる犬)も死んでしまった。自分達は生き残った。

 

・ 山下監督「死を真正面から捉えました。…僕なりに」

 当時はこのレベルの作品を連発していたという話から「観念(絵夢)は僕のおもちゃ」

 包茎手術を受けさせる作品では手術室にSMの女王さまを入れて収録。包茎手術を受けている観念には何も出来ないので手術中のお医者さんに延々話しかける女王様。

 脂肪吸引手術を受けさせてその肉をタンタンメンにして食べるという作品について。脂肪吸引手術はダイソンの掃除機みたいな機械で肉を吸う。その肉を調理するととてもイイ匂いがした。しかし脂肪を吸い出す時に薬を使うので、その脂肪で作った料理を食べた人は凄い下痢をしたそうです。

 この作品が発禁になった具体的な理由を問い合わせたらラストの交通事故再現のシーンに問題があるとの回答。

 あのシーンはスタントマンの会社の人に頼んでいるので問題は無いはずだが、全体的に倫理上の問題があるのは解っているのでしょうがない。

 平野監督「当時はみんな抜かせてたまるか、と思いながらAVを作っていた」

 松尾監督「僕はそんな事ないよ!」

 平野監督は水戸拷問の時、カラミのシーンを撮るのを忘れたので安達監督に謝りに行ったら「問題ないよ」と言われたそうです。

 

・ 私を女優にして下さい AGAIN11 上映版について。

 山下監督「今日初めて観た」

 平野監督は「池袋でやった時に観た」と仰ってましたが、この作品が池袋で上映された事はないです。

 『監督失格』×ポレポレ東中野企画【性と死と旅】第一夜【センチメンタルジャーニー】で上映されてたのと、池袋シネマ・ロサMOOSIC LAB#3:豊田道倫映像集/実験の夜、発見のロサ。という企画で豊田道倫映像集が上映されてたのを観た記憶がごっちゃになってるんかな。

 

 

 最後に質問コーナー。

・ 質問① 山下監督はこの作品を撮られた時、どういう感じで撮っていたのか?

 山下監督「当時どういうつもりで撮っていたのか、自分でも全く忘れてしまっている」

 松尾監督「序盤の彼女の生前の様子を追いかける所が好き。エロ本の編集者がいかにもエロ本の編集者という感じだったりとか」

 中指P子さんはその後どうなったかという質問には「噂も何も聞かないので全く分からない」

 

・ 質問② 監督失格のラストシーンについて、山下監督と松尾監督はあのラストをどう思ったか?

 松尾監督「自分はこの作品の製作過程に深く関わっているので『あのラスト』という感じでは見ていない。その手前で泣いていた」

 山下監督「平野勝之だなぁ。いい意味で嫌悪感がある。嫌な物見ちゃったなぁという感情が湧き出て、『平野作品観たんだなぁ』と思った」

 

・ 質問③ 由美香さんが発見される前日に平野監督が撮影しようとしていたのはどういう作品だったのか?

 松尾監督が仕事を取ってきた衛星放送用の番組。ちょうど平野監督が長年勤めていたGASを辞めたタイミングだった。GASの歴史についての物語を撮る上で、自分の話も入れなきゃいけなくて、自分の話をするなら由美香は外せないだろうという事で誕生日に久しぶりにハメ撮りする事にした。

 

・ 質問④ 平野監督が由美香さんの死を撮った事について。

 平野監督「この映画が怖いのは、自分の意思と関係なく色々な素材が撮れている事。由美香さんが発見された日の映像も自分が撮れなかった所はペヤングが、ペヤングが撮れなかった由美香さんの遺体が運び出される場面は現場に駆けつけた松尾君が撮っていた」