劇場版テレクラキャノンボール2013を毎日観に行っていた日記。

同じ映画を繰り返し観に行く、愛と狂気の日々の記録。

5月10日。阿呆方さん騒動の翌週に密かに行われた挑戦。フジテレビ土曜8時のめちゃイケでAVオマージュ企画!

※オンエア直後、私がはてな匿名ダイヤリーに書いた文章をこちらに移しました。この他にも匿名ダイヤリーのHMJMタグでイベントに行った時の話なんかをいくつか書いてます。暇な人は探してみよう!

 

 5月9日金曜日の夜。twitterのTLをぼんやり眺めていたら「明日放送のめちゃイケの予告が完全にテレクラキャノンボール」だという謎の情報が。
 めちゃイケってあの土曜8時の?そこでテレクラキャノンボール??映像の世界で対極にある存在のゴールデンのバラエティ番組とavが頭の中で結びつかない。いくらテレクラキャノンボールが劇場公開もされた話題作だと言っても確実に知らない人の方が多いだろうしなぁ…という事でここでテレクラキャノンボールとは?という説明を少し。

 テレクラキャノンボールとは1997年に第1作が作られた企画モノav。車やバイクでレースをしながら地方都市を目指し、現地の素人女性を口説いてavに出てもらい、得点を競うという内容の作品です。最初の3作品は90年代に作られ、それから10年近く間が空いて2009年にavグランプリというコンテストの参加作品としてテレクラキャノンボール2009 賞品はまり子*Gカップが作られました。
 今年公開された2013は第5作。渋谷にあるオーディトリウムという映画館の偉い人が2009の大ファンで、続編が作られるなら是非公開させて欲しいと提案し、2014年の2月にDVD発売前の販促イベントのような感じで6日間のみ上映されたのですがそれが大当たり。平日にも関わらず上映の数時間前には立ち見券まで完売と言う日が続き、3月にも10日間追加上映されたのですがその期間も連日満員。その評判を受けて5月以降は神戸、新宿、広島、名古屋、四谷、十三、東中野、京都、沖縄、青森などでの上映も続々決まっています。

 貼ってあったリンクを踏んでフジテレビの公式サイトで公開されていた予告動画を見てみる。…この曲は!Weekday SleepersのPassion Fruits Telecrider!!テレクラキャノンボール2009のテーマ曲として作成され、市販はされず、Weekday Sleepersの公式サイトでのみ公開されている音源なのでたまたま被っちゃうという事は有り得ない。しかもWeekday Sleepersの曲が流れる中、ナインティナイン岡村がナンパをしている!これ完全にテレクラキャノンボールじゃないですか!うぉー!すげー!とりあえずレコーダーで録画予約をし、オンエアを待つ。

 夜の8時になり番組開始。打ち合わせだと聞かされて部屋に入ってきたナイナイ岡村が待ち受けていた佐野アナウンサーに驚くという「あぁめちゃイケだなぁ」というオープニング。そこから出演者がひな壇に座っているスタジオシーン(セットはめちゃイケの前身番組・めちゃ2モテたいッ!のセット) が始まり、その中のトーク部分で「対決って図式がなぁ…テレクラキャノンボールやん」という岡村の発言→「めちゃ2モテないッ!の楽しみ方②岡村は知っているパロディ元のDVD」というテロップ!この時点で番組始まって3分半!
 更にそこから約3分後、出演者がそれぞれナンパを始めるというシーンのタイトルの文字がもう完全にテレクラキャノンボール!しかも画面の端には「Respect to カンパニー松尾」の文字が!
http://instagram.com/p/n15vH3lo3G/
 ちなみにテレクラキャノンボール2013の特報動画はこちら


『テレクラキャノンボール2013』 特報 youtube版 - YouTube

 ナンパした女性とのやりとりの中で女性に何かをしてもらえるとポイントが入るというルール、VTRを皆で見てポイントを認めるかどうか決めるプレビューシーン(番組中ではスタジオ収録部分)、そして、ナイナイ岡村が別れ際にダメ押しで買ってあげたパンを渡すというプレゼントの2ポイントが勝敗を分けるという所など、テレクラキャノンボールを見た人がニヤリとするシーンが散りばめられた本編は、勿論テレクラキャノンボールを一切知らない人にも楽しめる内容になっておりました。みんな最近のテレビは面白くないとか言ってるけど面白いじゃん!ってかめちゃイケってスペシャルでもない普段の回でもこんなに面白いんだ。ちょっとびっくりしました。

 私が一番感心したのはこの番組のオチ。全くナンパが出来なかった武田くんを引きずり回し、更にゲストの奈々緒からドエライ事実を暴露され、逆ギレし、結局最後は謝罪するって流れだったのですが、このオチもあって、この企画は「何もしなかった武田くんの物語」になってるのです。

 ちょっと説明しますと、テレクラキャノンボール2013のキャッチコピーが「ヤルかヤラナイかの人生なら、俺はヤル人生を選ぶ。」なんですよ。んで、この作品の中で、絶対にやらなければいけない事ではない非常に負担の大きいある事をやるという重要なシーンがあって、まぁちょっと物凄い映像が撮れているんですがその辺はネタバレ禁止なので全く書けないのが辛い。そのシーンは劇場では上映中なのにほぼ毎回拍手が起きるレベルの凄い映像なんですが、そんなのを見せ付けられるので、この作品を観終わると「ヤル人生を選べる人」に対する想いが大きくなってしまう。なのに、そのオマージュ企画だった今回の放送が「何もしなかった人の物語」になってるのは「ヤラない事を選ばされるテレビマン」の方からの強烈なメッセージだと感じました。

 めちゃイケ「阿呆方さん」放送見送りにナイナイ岡村「小保方さんが見たら笑ったと思う」:J-CASTニュース http://www.j-cast.com/2014/05/09204250.html
 今回の放送の前の週に放送される予定だった企画が予告編を見た視聴者からの抗議などでお蔵入りになったというニュースがありました。最近のテレビのバラエティ番組は視聴者からの抗議を恐れて何も出来ない、という話は聞いていたのですが、予告動画だけで抗議が入って潰されるって所まで行ってるんですね。ラジオで岡村が語ったような、実際見たら本人も笑うような軽い内容だったんだろうと思うんだけど、内容を見ても無い段階で潰されるってんじゃあこれホント大変ですよ。ヤルかヤラナイかでヤルを選んでも潰されるってんじゃあヤラナイ事を選ばざるを得ない。しかし、そんな環境の中でも俺達は面白い番組を作ってやるぜ!というメッセージなんじゃないかなぁと。
 規制の多いゴールデンタイムのバラエティ番組を作っている人がテレクラキャノンボール2013を観たらホントに羨ましいと思うでしょう。でも今の立場を放棄して別の場所で似たような事をやるんじゃなくて、今の自分の舞台で面白い事をやってやるぜ!って回答を導き出してそれを作品に反映させてるんだから素晴らしい。

 ただ単に同じ音楽を使って同じような映像を作るだけじゃなくて、元ネタのメッセージを理解し、それに対する自分達の回答をしっかり作品に反映させる。勿論元ネタを全く知らない人でも楽しめる作品になっている。こんなレベルのオマージュ作品を作れるっていうのはホントに凄い。ゴールデンタイムの長寿番組の強さを見せ付けられました。