劇場版テレクラキャノンボール2013を毎日観に行っていた日記。

同じ映画を繰り返し観に行く、愛と狂気の日々の記録。

オーディトリウム渋谷、最後の日。

 劇場版テレクラキャノンボール2013が最初に上映された映画館、オーディトリウム渋谷が閉館するとの事で、最後の上映を観てきました。

 ってかオーディトリウム渋谷はただ単に最初に上映されたってだけじゃないんですよ!松尾監督が色々な場所でお話されている通り、劇場版が作られて映画館にかかる事になったのはオーディトリウム渋谷のディレクターさんの提案なんです。

 テレクラキャノンボール2009を観て「次回作があるなら是非ウチの劇場で公開したい」という話をくださって、そこから劇場版テレクラキャノンボール2013が産まれたのですよ。

 その他に、2011年にはHMJMナイツというオールナイト上映をやったり、恋の渦が上映された時には松尾監督がトークショーのゲストで出演されたりもしてました。

 HMJMナイツは第一夜ってなってましたけどお客さんが全然入ってなかった事もあり第2夜は開催されないままでしたが、2月と3月のキャノンの上映は毎日通いましたし、私としても思い入れのある映画館なのです。

 通常の上映の最後に当たる10月7日はテアトル新宿の3日目とぶつかってしまって行けなかったのですが、その2日後に最後の上映があるというので行ってきました。

TOWN WORKERS | オーディトリウム渋谷

岩井俊二監督初めてのアニメーション作品『TOWN WORKERS』
一日限りの劇場上映 &トークイベント開催します!

現在、WEBで公開中の岩井俊二監督作品『TOWN WORKERS』の一日限りの劇場上映となります。
さらに、20時より、岩井俊二監督によるトークイベントの開催も決定!
オーディトリウム改装前の最後の上映作品となる『TOWN WORKERS』
入場無料となっておりますので、ぜひ、劇場に足をお運びください!

■上映スケジュール
10月9日(木)
13:00から30分ごとに上映(最終上映:20時30分)

*20:00より岩井俊二トークイベント(他ゲスト登壇予定)

  19時前に劇場前に到着。…いつも自転車を停めていたスペースが駐輪禁止になっている。

 1階のカフェもどうやらなくなるっぽい雰囲気。

  エレベーター横のフロア案内。

 結構な期間、封鎖して改装工事してたけど、どこがどう変わったのかあんまり違いが判らなかった階段。

 入口付近。

 到着した時は前の回の上映中という事で、19時からの次の回が始まるのをしばらく待ってから入場。

 前の方の中央の席は関係者席という貼り紙が貼られていました。

 19時からの回の上映が終わり、場内の写真を撮っているとお客さんがドドっと入ってこられました。どうやら20時からの岩井俊二トークショー目当てとの事。せっかくなのでそれも観ていこうかという事で19時半からの上映も観る。

 そして岩井俊二トークショー。

 後半には主題歌を担当しているという事で岩井俊二氏もメンバーとして参加している音楽ユニット・ヘクとパスカルも登場。

 いやー、このトークショーがですねぇ、完全に『岩井俊二のトークショー』でした。『オーディトリウム渋谷最後の上映でのトークショー』感ゼロ!

 今回上映されたTOWN WORKERSが初めて手がけたアニメ作品だという事から「実は漫画家志望だったんですよ」という話や、そこから「昔の漫画家は絵が下手で横顔などが描けない人が居た。そんな時代に大友克洋が出てきた時のインパクトは強かった」みたいな、『いや間違った事は言ってないけどそんな事を喋る必要があるのか?』というような話を延々されてました。

 …何と言いますか。岩井さん、とてもピュアな人なんだと思います。絶対悪い人では無いハズ。

 普通、オーディトリウム渋谷という映画館の最後の上映が自分の作品で、しかもトークショーまでやるなだったらオーディトリウム渋谷の思い出とか語るじゃないっすか。そういうの一切無し。もしかして岩井氏の作品ってオーディトリウムでかかった事無いのかな?と思って検索してみたらfriends after 3.11って作品を上映した事があって、舞台挨拶もされてるんですが、その話題も一切出なかったですね。

 でもこれ悪意があるとかじゃなくって、もうホントにナチュラルにいつも通りのトークショーをされてたんだと思うんですよ。変に気を使って無理矢理思い出話をされるよりは良いという気もするんですけど、それにしても『オーディトリウム渋谷という映画館の最後がこれっすか?』ってどうしても思ってしまいます。

 トークショーの後、もう1回TOWN WORKERSが上映され、上映後に岩井氏が軽い挨拶。

  こうしてオーディトリウム渋谷の最後の上映は終わりました。

  上映後、真っ直ぐ帰る気にならず、東急百貨店の前でタピオカミルクティを。

 オーディトリウム渋谷の思い出に浸ってました。…と言いたい所なんですが!岩井俊二のトークショーの事をどうしても思い出してしまう。。。いや、無銭のトークショーとしては物凄くネタになるような事ばっか喋ってたんでナカナカ美味しいイベントではあったんですよ。あの見た目であんな事喋る人だからあんな作品撮れるんだろうなぁ、とか岩井俊二という人物の面白さがちょっと解りました。あの人結構弄られてナンボの人かもしれません。あとおっさんなのに異様に可愛い。あれはモテるやろうなぁ。

 けど!けど!あれが最後の日の最後のイベントってどう考えてもおかしいでしょ!オーディトリウム渋谷の思い出に浸るべき時間に岩井俊二の事をどうしても考えちゃう。オーディトリウム渋谷が無くなる悲しみを凌駕する岩井俊二インパクト。…勘弁して下さい。

 でもねぇ、この悪魔的とも言えるブッキングについては岩井俊二がトークショーの中でポロっと喋ってたんですよ。「オーディトリウムのオーナーさんと喋っている時に、最後の日のスケジュールが空いているという話になってこの上映会が決まった」って話をしてました。

 オーナーか!オーナーが仕組んだのか!最後の上映に駆けつけたオーディトリウム渋谷に思い入れのあるお客さんの、劇場が無くなる怒りや悲しみの矛先を自分から逸らす為に岩井俊二を仕向けたな!

 …そうだとしたら本当に完璧なブッキングだと思います。最後のイベントがこんなだったのは全く納得出来ないんだけど、岩井俊二はナチュラルにああいう人なんだろうなってのは見てたら解るし、「ウェブ用に作った作品を劇場で観てもらえるなんて嬉しいなぁ」位の事を本心から思ってて無邪気にイベントに臨んでるんだろうなってのも解る。この人に対して怒るのは見当違いです。そしてこの最後の上映に対するモヤモヤした思いがオーディトリウム渋谷が無くなる事に対する思いを打ち消していく。悪魔のようなブッキングですよ!さすが渋谷に映画館を持ってるような人は違いますな。

 ただ1つ、オーナーさんが失敗してる所は、岩井俊二が天然過ぎて最後の上映がこのイベントになった経緯を喋ってしまった事だけです。

 

 そんなオーディトリウム渋谷のオーナー・堀越謙三氏が総合プロデューサーを務めるユーロライブという施設がオーディトリウム渋谷の跡地に11月5日にオープンするそうです。

 オーディトリウム渋谷の最後に悪魔的な恐ろしささえ感じるブッキングを見せ付けられたのでこれはもう期待せざるを得ないっす。どんな劇場になるのでしょうか。チェックしていきたいと思います。

 

 

 翌日。岩井俊二の事で頭がいっぱいになり、ちゃんとお別れが出来なかったので…また来ちゃいました。

 オーディトリウム渋谷のポスタースペースが空いています。

 1階のカフェの廃墟感が昨日より増してる…

 見覚えのある椅子が積んである。昨日まではオーディトリウム渋谷の中でお客さんが座っていた椅子が全部取り外されて中に置かれてました。フカフカの良い椅子だったのにもう使わないのでしょうか。

 階段横のいつもオーディトリウムの作品のポスターを貼ってあった所も何も貼ってない…

 もう養生してありますね。すぐに工事に入るようです。

 階段で写真を撮ってツイッターにアップしていたらオーディトリウム渋谷のモギリのお姉さんに「あれ?こんばんわ」と声をかけられる。別に悪い事をしてた訳ではないのですが、キョドってこ、こんばんわーみたいな感じで一応挨拶だけ返して逃げ出してしまいました。すいません。

 実はこのお姉さんには前日にも挨拶を頂いてたのですよ。その時、胸にテアトル新宿で配られたHMJMの缶バッヂを付けていらして、「最後の日にこの缶バッヂを付けて仕事をして貰うなんてありがたいなぁ」と思った事を書き残しておきます。