劇場版テレクラキャノンボール2013を毎日観に行っていた日記。

同じ映画を繰り返し観に行く、愛と狂気の日々の記録。

12月23日。『さよなら東京』(『UNDER COVER JAPAN』第二部)@ポレポレ東中野 2日目

 昨日に引き続き、今日もさよなら東京を観にポレポレ東中野に来ました。

 この日は祝日&上映後に松江哲明監督とのトークショーもあるという事で、ロビーに向かう階段にも開場待ちのお客さんが沢山いらっしゃってましたよー。

 開演20分ほど前に受付して54番でした。今日はチラシ貰えた!

  ちなみにこの日のチラシはハードコアチョコレート設立15周年記念映画祭とポレポレ東中野の上映スケジュール、そして、劇場版テレクラキャノンボール2013のDVD&ブルーレイの3種類でした。

 

 開演時間の10分前、20時50分頃に開場。5番刻みで60番台くらいまで呼び出し。開演前には座席はだいたい埋まっている感じだったと思います。空いてたのはスクリーンを見上げる形になってしまう最前列くらいだったはず。私は昨日と大体同じ、2列目の中央付近で鑑賞。

 お客さんで満員の劇場の雰囲気からなのか、上映中何回か一部で笑いが起こっていたのですが、どっちかっていうと「え?ここで笑うの?」というシーンだったので、私の隣に座ってた女性が笑いが起こっている方を振り返ってチラッと見ていたのを目撃してしまい、ちょっと目が合って何となく気まずいというか変な雰囲気になってしまったり。同じ作品を観てみんなが色々な反応をするってのも劇場で観るからこそ。これが劇場体験ってヤツですよ。

 上映終了後、トイレ休憩を挟んで松尾監督と松江哲明監督のトークショー

 以下、内容メモ。

・ 最初にUNDER COVER JAPANという作品自体についての説明。

・ 元のDVDは3部に分かれていて、平野監督の北海道編、この日上映された松尾監督の東京編、真喜屋力監督の沖縄編になっているが、真喜屋監督はポレポレ東中野の前身のBOX東中野のスタッフだったそうです。松江監督もBOX東中野で平野監督の白THE WHITEをやっていた頃まで映写の仕事をしていて、その関係で松尾監督に招介して沖縄編を撮る事になったとの事。

・ UNDER COVER JAPANの予告編は東京ファンタスティック映画祭で上映された事があるというお話。ファンタのスタッフの方がこの作品を観て、予告編だけなら上映出来るというのでミラノ座の大スクリーンでやったそうです。

・ テレクラキャノンボールのお祭り感に対する「松尾さんのなんだかなぁ路線=反省しながら撮っていく感じ」に対する松江監督の解説。キャノンが数年に1度の特別なお祭りで、普段の松尾監督の作品はほとんどなんだかなぁ路線です。

・ 作中に出てくるクリスマスにとても太った女性とハメ撮りした後に行ったトンカツ屋さんは新宿の職安通りにあるお店。この時に初めて入ったがとても脂っぽかったのでその後は行ってないそうです。

 …しかしよく考えたらあの女性とハメた後にトンカツ食べるって失礼な話ですよね。

・ DVD版との編集の違いについて。SEX部分をカットして、テロップは千葉の人妻さんとの会話のシーンのガンダムの部分のみ足したとの事。

・ お正月の病院のシーンについて。松江監督「松尾さんが人の死を撮ったのはこれが初めてですよね?」松尾監督「(死についてなど重い問題に作品で)踏み込むっていうのがこれが初めてだった」

・ 松尾監督「若い頃からクリスマスに対しての憎悪があったのだが、結婚して家族を持ったりしたこの頃から単なる憎悪とスパッと割り切れなくなった。(HMJMを始めた事は関係あるかと問われて)HMJMは関係ない」

・ 若い頃から12月24日のクリスマスイブには撮影を入れていた。これは自分に対する戒め。

・ テレクラでの年越しシーンについて。テレクラも今のキャノンで出てきたテレクラと、10年前のこの頃のてれくらで大分違う。今のテレクラは業務連絡のみという感じだが、この頃はまだ世間話などをしていた。

 ・ 松江監督「松尾さんは東京大好きですよね」

 東京生まれ東京育ちの松江監督は東京タワーを堂々と撮ったり、渋谷のスクランブル交差点を駅から撮ったりするのはダサし恥ずかしいから出来ないとの事。

 僕が松尾さんに勝っているのは東京生まれ東京育ちだという所だけだという松江監督に「東京は田舎者で出来ているんだよ!」と松尾監督。

・ 渋谷のサンタ人形や新宿のカウントダウンのシーンなど、実景パートはアキヒトさんが撮影を担当。同じ日の同じ時間帯、東京の街の色々な風景を撮ってもらって、それを入れた。

・ 松尾監督はこの日の上映を観て、豊田道倫さんの曲でちょっと泣きそうになってしまったそうです。

・ 松江監督「(25日の太った女性のパートで)シャワーに送り出す時に力強く行ってらっしゃい!っていうの、アレ自分に言い聞かせてますよね?」

  松尾監督曰く、ああいう(アウトな感じの女性との撮影の)時、大きな声を出したりしないと自分も怖いとの事(酷い事言ってますね)。

  松江監督「でもあれきっと彼女達もその事に気付いてると思う」

  松尾監督「いやー、向こうは緊張してるから気付いてないんじゃない?」

・ その太った女性とのパートで豊田さんの曲を使っている事について「今日自分で観てもピンチの時に豊田さんに頼るのはよくないなぁと思った」と語る松尾監督。

・ でもよくああいう女性とのシーンもカットしないですね、と言う松江監督に「カットはしないよ。起きちゃった事件だもん」と松尾監督。

・ UNDER COVER JAPANの頃、松江監督がHMJMによく出入りしていたという話からその頃のお話。松江監督はこの時期が今までの人生で一番楽しかったと仰ってました。

 松江監督の方からHMJMの社員にして欲しい、という申し出をしたそうなのですが、松尾監督が「お前は社員にならなくていいよ」と言って外注で仕事を続ける事に。

 この時期の松江監督はもう一般映画を何本か撮っていて、評価もされ始めていたので、そういう人をハメ撮りマシーンにするのもなぁ、と思って社員にはしなかったそうです。けれども人手が足りないという事で松江監督が今田監督をHMJMに紹介して社員監督に。

 松江監督「純朴な青年でハンセン氏病患者のおじいさんおばあさんのドキュメントを撮っていた今田が…今は立派になって」

 松尾監督「見た目は変わったけど中身は変わってないよ。病気のおじいさんおばあさんを撮っていたのが熟女に変わっただけで」

・ 松尾監督は劇場版テレクラキャノンボール2013がヒットする前は松江監督にヤキモチを焼いていた、という話から、キャノンの配給についてのお話。

  オーディトリウムの上映が終わった後は、配給は他の人に任せようかという話もあったそうなのですが、結局自主上映で全国を回る事に。

 松尾監督「(劇場版テレクラキャノンボール2013が)つまんなかったら自主上映なんてやんない。面白かったからやってる」

・ キャノンがヒットした事によって昔の作品が上映される事が多くなったのは良かった、という所から、実は90年代からやってる事自体は変わっていない、というお話。

・ 自主上映をやって回るのが大変で本業がちょっと疎かになってしまっているのでは、という松江監督に「基本的に1つの事しか出来ないので…」と松尾監督。

・ イベントや上映で人前に出る機会が多い為『今、会えるAV監督』になってしまっている松尾監督ですが「本当は怪しい男になりたい」。

・ 怪しい男になりたい人があんなツイッター使いこなしてないですよ!というお話から松尾監督のツイッターの使い方が上手いというお話。

 松尾監督のツイッター良いっすよね。ツイートがホントにカンパニー松尾丸出しな感じで。自分の名前や作品名でエゴサしてRTしまくってはるんですが、アレも松尾監督なら無邪気な感じで可愛い。さよなら東京を上映している現在は「さよなら東京」というワードで検索して、作品と関係の無い東京からさよならしていく人のツイートをRTするっていうのもやってはるんですが、これも色々な人が東京から離れて行く瞬間が垣間見れて良いのですよ。

 あと、松江監督がこの後ツイッターに関してちょっと悪い事を仰ってましたが省略します。松江監督のツイッターもニャンコ写真いっぱいで良いですよー。「ツイッターでは猫好きでいたい」と仰ってました。